食道がん
食道に出来るがん・・・それが食道がんです。わが国では年間約9000人もの方が食道がんにかかっているのです。さて、そんな食道がんについて詳しく調べてみました。
食道がんを知る前に、食道の構造から発生要因まで詳しく調べてみましょう。
咽頭と胃をつなぐ筋肉管(長さ約25cm、太さ約3cm、厚さ約4mm)
粘膜:食べ物などが通りやすいように粘液を分泌する
粘膜下層:粘膜の下にあり、血管やリンパ管が豊富
固有筋層:食道壁の中心で、食道の動きを担う
外膜:周囲臓器との間を埋める、膜状ではない結合組織
食べ物(飲み物含む)を飲み込むと重力によって下に流れ、食道壁が動くことで胃に食べ物を送り出します。また、食道出口には胃の食物逆流を防止する機能も備わっています。食道とは消化機能を持たない食べ物の通り道で、神経と筋肉の連関によって機能する臓器なのです。
日本での食道がん発生部位は、食道の真ん中が約半数を占めています。また、食道がんは食道の粘膜表面にある上皮(扁平上皮)から発生するものがほと んどで、食道がんの約9割が「(食道がん)扁平上皮がん」となっています。 しかし生活習慣や食生活の変化から、欧米で多くみられる胃付近の食道下部位で発生する食道がんの1つ「腺がん」にも気をつけなくてはなりません。ごくまれ ですが、特殊細胞からできる「未分化細胞がん」「がん肉腫」「悪性黒色腫」や、筋層細胞から発生する「消化管間質腫瘍」などが発症することもあります。
食道内面にある粘膜から発生した食道がんは、粘膜下層→固有筋層へと進行し、ひどくなると外膜や食道壁を通り越して食道の外まで広がります。そうなると食道の周囲臓器(気管支や肺、大動脈、心臓など)までもが、がん細胞に侵されます。 また、食道壁周辺にはリンパ管や血管がたくさんあるため食道がん細胞が転移するケースも多いです。
食道がんのリスク要因として確立されているものは、喫煙と飲シュの2つです。喫煙と飲シュが相乗的に作用することでハイリスクになるという指摘もあ り、特に食道がんの中でも扁平上皮がんではそれら2つの関連が強いとされています。また、食道粘膜の炎症を引き起こす熱い飲食物を飲み食いする食習慣も、 食道がんのリスク要因とされています。
一言で「食道がん」といっても、人によってさまざまな症状を訴えます。
健康診断などの内視鏡検査で発見される無症状の食道がんが全体の約20%を占めます。無症状で発見された場合は早期食道がんであることが多く、治る確率も高いです。
熱い物を飲み込んだ時などに食道がしみるような症状が出たら要注意です。食道がんの初期症状でみられることが多く、早期発見のため早めに内視鏡検査を受けてください。
食道がんが大きくなることで食道の内側が狭くなり、このような症状が出てきます。ひどくなると食道全体を塞いで水すら通らなくなります。
食べ物がつかえることで食事量が激減し、低栄養状態となり体重が減少します。3ヶ月に体重が5〜6kg減少したら食道がんの可能性も・・・。
食道がんが食道壁を貫くと、周囲の臓器(肺や背骨、大動脈など)を圧迫するとこのような症状が出てきます。
飲食物を摂取する際にむせるような咳が出たり、血の混じった痰が出るようになると、食道がんが進行して気管や肺などに転移している可能性が高いです。
食道のわきに声を調節する神経があり、これが食道がんによって破壊されると声がかすれます。
診断方法はさまざまでレントゲン検査(食道造影検査)、内視鏡検査、CT/MRI検査、超音波内視鏡検査、超音波検査、PET検査、腫瘍マーカーなどがあります。食道がんの進行具合を正確に診断することは、治療法を選択する上でとても大切なことです。
検査結果に基づいて、がんの進行度や全身状態から食道がんの治療法を決めていきます。
体から食道がんを切り取ってしまうという方法で、食道がんの治療法として最も一般的です。手術では食道だけでなく、リンパ節を含む周辺組織も切除します。
食道の機能や温存を目指し、限られた範囲のみを治療する局所治療です。高エネルギーの放射線(X線など)をあてることで、食道がん細胞をやっつけます。
化学療法とはすなわち抗がん剤治療のことで、食道がん細胞をやっつける薬を注射します。手術や放射線と違い全身に行渡るため、転移などがある場合にも行われる治療です。
食道がんによって食事摂取が困難なとき、パイプ状(シリコンゴムや金属網など)のものを食道に留置して食べ物が通過しやすいようにします。
食道がんの治療後(術後)、食事が順調に摂れるようになるまでは1ヶ月に1回は病院に行き、診察を受けてください。時間が経てば食道がん再発の危険 性も減るため、3〜6ヶ月に1回くらいの受診でいいでしょう。しかし、機能回復チェックや再発の早期発見のためにもこまめに通院することが大切です。
胃がんなどの影に隠れて、あまり知られていない食道がん。しかし食道がんで苦しんでいる人は意外と多く、ネット上でも食道がん闘病記などが多々目に 付きます。怖い病というイメージがある中、近年では食道がんの名医なども現れるなどして治療成績も良好、生存率も上がってきています。 検査を恐れずに、ごくわずかな症状でも受診するようにしましょう。どのがんでもそうですが、食道がんでも「早期発見、早期治療」が重要です。
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